2010年5月29日土曜日

PR2ロボットが卒業 11研究機関へ旅立つ


米国西海岸時間 May 28, 2010

水曜日の夜、パーティとロボットのお披露目によってPR2プログラムの公式なキックオフが行われました。300人以上のゲストがウィローガレージに集まり、そこで11台のベータロボットが紹介されました。ウィローガレージのファウンダーであるスコット・ハッサンは、ロボットを工場から私たちの日常生活に連れてくることで生産性が向上するという彼のビジョンについて語りました。パーソナルロボットプログラムのディレクターであるキーナン・ワイロベクとエリック・バーガーは、プラットフォームであるPR2(ハードウェア)とROS(ソフトウェア)の概要を説明。中でもROSの採用がロボットコミュニティで急速に増えていることを私たちがいかに喜んでいるかについて話しました。

ロボットのお披露目の後、PR2の提供を受ける研究機関が紹介され、デモ、記念撮影、人とロボットのダンス、と続いていきました。

パーティのビデオは来週アップしますので、お楽しみに!

パーティの写真はこちら

下は紹介記事の一部です。

* CNET: Willow Garage rolls out PR2 robots
* Economist: Tech.view: A robot in every home: Helping hands
* SFGate: Pomp and Circuitry: Willow Garage's robot graduation
* Botjunkie: Willow Garage PR2 Graduation Party
* IEEE Spectrum: Willow Garage's PR2 Robots Graduate, How I Became a Texai Robot and Went Partying
* Singularity Hub: Up Close and Personal With Willow Garage’s PR2, Willow Garage’s PR2 Robots Dance
* Wired Gadget Lab: Willow Garage Holds a 'Graduation Party' for Its Robots

原文

日本語記事

2010年5月27日木曜日

11研究機関集結、PR2 ワークショップ開催中!

米国西海岸時間 May 26, 2010

PR2ベータプログラムのワークショップが月曜日に始まりました。11研究機関からの代表がここウィローガレージに集まり、ROSと彼らが無償提供を受ける完成したばかりのPR2についてトレーニングを受けています。お互いに交流を深め、研究の計画について情報交換したりして、素晴らしい時間を過ごしています。ワークショップの写真はこちらです。

原文

訳者より: 今日5/26は記者発表の後、PR2のお披露目と旅立ちを祝うパーティを開催中。その様子は Twitter @wgblogjp で。

2010年5月22日土曜日

論文募集 IROS 2010 セマンティックマッピングと自律的知識獲得

米国西海岸時間 May 21, 2010

論文募集  IROS 2010 ワークショップ ”セマンティックマッピングと自律的知識獲得”

Dirk Holz(独 ボン大学)、Tom Duckett(リンカーン大学)とウィローガレージのRadu Bogdan Rusuが台北で行われるIROSのワークショップ ”セマンティックマッピングと自律的知識獲得” をオーガナイズしています。本ワークショップはコンピュータ・ビジョン、認知ロボット工学、三次元マッピング、移動マニピュレーション、機械学習、知識表現、探索、意思決定などの研究者を対象に行われるものです。

コミュニティのみなさん、ぜひセマンティックマッピングと自律的知識獲得のための新しい手法に関する最新の研究論文をお寄せください。より詳しくは、ワークショップのウェブサイトをご参照ください。中間結果、特に説得力のあるビデオやライブデモを伴ったものを歓迎します。

論文を提出するしないに関わらず、ぜひワークショップにご参加ください。
論文提出期限は、2010年7月1日です。ワークショップのウェブサイトで詳細をご確認ください。

重要な日程

  • 論文提出期限: 2010年7月1日
  • 論文採択通知: 2010年7月23日
  • 最終論文提出期限: 2010年8月6日
  • IROSにおけるワークショップ: 2010年10月18日

原文

2010年5月21日金曜日

PR2ベータ1台目をスタンフォード大に発送

米国西海岸時間 May 20, 2010

1台目PR2ベータプログラムロボットが正式にウィローガレージから出荷され、無事にスタンフォード大学に到着しました。PR2ベータプログラムが進み始めたことに私たちはわくわくしています。来週には、このプログラムに参加する11研究機関からの代表者が集合し、ROSとPR2のワークショップが開催されます。残りの10台のロボットは約3週間以内に発送する予定です。この最初の短距離の輸送(訳注: ウィローガレージとスタンフォード大の距離は約5km)は、他のPR2を彼らの新しい家に届ける次の輸送のための予行演習になりました。私たちはスタンフォードの人たちが無事故のうちに、受け取った荷物を開け、木枠からロボットを取り出す様子を興奮しながら見ていました。さらに嬉しかったことは、研究室に到着してほんの数時間のうちに、PR2が物体認識のタスクのためのデータを取得しているのを見られたことです。

PR(パーソナルロボット)はもともとKen Salisbury教授の研究室で始まったプロジェクトです。PR1をひっぱりだして、その子孫とともに写真に収まってもらうのは、とてもふさわしいことです。Eddie Salisbury、素晴らしい写真をありがとう。PR2が新しい家に落ち着くことができて心から喜んでいます。

この他の写真はPR2がスタンフォードに到着で。

原文

2010年5月20日木曜日

グーグル創業者サーゲイ・ブリンがテキサイでX PRIZEに登場

先週末のX PRIZE イベントに、Googleのサーゲイ・ブリンらがウィローガレージのテキサイを使って参加しました。ウィローガレージのブログ(英語)でも、サーゲイがテキサイを使ってキーノート・スピーチを行ったビデオ(本ページ下のビデオと同じ)が紹介されています。他にもいくつかのブログやビデオで話題になっていますが、ここではSingularityhubの記事をご紹介します。

トニー・ロビンスとサーゲイ・ブリンがロボットになった – テレプレゼンス革命

先週末、サンフランシスコで開催されたX PRIZEの資金調達イベントに参加したのですが、そこでセルフヘルプ(自己啓発)のグル、トニー・ロビンス(訳注: アントニー・ロビンス 成功メソッドのコーチングで有名)とGoogleの共同創業者サーゲイ・ブリンに会いました。でもそれは、普通の形で、じゃなかったんです。二人ともイベント会場には来られなかったのですが、トニーもサーゲイもウィローガレージの素晴らしいテレプレゼンスロボット、テキサイをリモート操作して、他の参加者と同じように会場を歩き回り、話しをしてたんです。もしあなたが私と似たタイプであれば、テレプレゼンスロボットというアイディアに少し懐疑心を持っているかもしれません。アイディアの目新しさやかっこよさに惹かれる時期が過ぎた時、テレプレゼンスロボットはニッチな役割を超えて、本当に社会に存在価値があるのか、ということに疑問があるのです。

テレプレゼンスロボットで華麗に振る舞うサーゲイやトニーを目のあたりにした後の私は、テレプレゼンス革命を信じる人間に変わったと思ってください。私を含めイベントに参加した人々はあっという間にそのロボット(テキサイ)に魅了され、彼らと話すのが大好きになりました。その夜、私はアルゼンチン、ワシントンDC、カナダの人たちと話しましたが、それは全員テレプレゼンスロボットを通じてだったんです。私たちの生活はテクノロジーによって支えられていますが、テレプレゼンスロボットという素晴らしいものも、新たに加わりそうです。下のビデオは、短いですが私がトニーと話している様子です。


人間は社会的生き物です。X PRIZEイベントにいたテレプレゼンスロボットは、ある意味においてこの人間の特性をしっかり理解していることに驚きました。もし、トニー・ロビンスが壇上に掛けられたテレビに映し出されるという普通のビデオカンファレンスの形でX PRIZEに登場していたら、同じような体験はできませんでした。彼は、会場をあちこち歩き回って、いろんな人を探したり(あるいは人から逃げたり)できません。話が終わってもそこから立ち去ることもできないし、彼の背後にいる人や物を見ることもできません。

現時点では、テキサイロボットは、人間との社会的なやりとりをロバストに行えるような腕も手も持っていません。もしいつか腕がついたら、このロボットの将来性はさらに高まるでしょう。

テレプレゼンスロボットの魅力的な側面の一つは、彼らがそのイベントの間中、いろんな違う人になったということです。X PRIZEイベントの会場には3台のテキサイロボットがいて、それぞれのロボットが世界中からの数名の興味深い人たちに変身したのです。下はサーゲイ・ブリンがテレプレゼンスで登場した時のビデオです。

テレプレゼンスロボットを介してイベントに参加するのは、いくつかの点において、実際に参加するより優れた部分があるのかもしれません。一つには着飾る必要がありません。ロボットでなら、フォーマルなイベントに下着姿で参加してもわかりません。また、数千マイル離れた場所のイベントに出かけている間、子どもを寝かしつけたり、家に来た人に応対したりするのに困りますよね。それももう心配ありません。テレプレゼンスロボットを事前に予約して準備しておけば、条件さえ合えば、複数のイベントに同時に参加することもできます。テレプレゼンスロボットは、将来パーティやカンファレンスなどのイベントで貸し出すことができるようになるでしょうか?これって、面白いビジネスアイディアですよね?

私は、テレプレゼンスロボットのユートピアに夢中になっているだけなのかもしれないし、テレプレゼンスロボットがすべて期待できるものとは限りません。例えば、彼らは段差があるところをうまく移動することができないし、テレプレゼンスで参加するのは当然実際にそこにいるのとは同じではありません。それでも、私にとってテレプレゼンスはクールだという事実は変わりません。この先10年で、人々が集まる場においてその存在を確立していくと思います。 もしそうであれば、その時、私はテレプレゼンスロボットの中にいると思います。

原文(2010年5月18日 Keith Kleiner)

2010年5月19日水曜日

Google I/O 2010にPR2が参加します

米国西海岸時間 May 18, 2010

Google I/O 2010が5月19から、サンフランシスコのMoscone Centerで開催されます。Google I/Oは、グーグルの新しい技術や機能に関する開発者向けのカンファレンスで、2日間に渡り数千人の開発者が集います。グーグルは今年のカンファレンスで、未来的なテクノロジー、ロボット、三次元のビジュアライゼーション(可視化)とシミュレーション、その他の革新的なガジェットを集めたGadgetFestというインタラクティブなプレイグラウンド(遊び場)を紹介することになっています。After Hours Evening Eventの一環として、ウィローガレージはPR2を連れてGadgetFestを歩き回ります。興味がある人は、つかまえて話しかけてくださいね。

Google I/Oについてはこちらをチェックしてください。

原文

OpenRTM-aistとROSが統合!

米国西海岸時間 May 18, 2010

Geoffrey BiggsAIST 産総研)は、ROSをシームレスにOpenRTM-aistに統合するパッチをリリースしました。これにより、OpenRTM-aistのユーザーはパッチをダウンロードして、ROSトランスポートを追加できるようになりました。以下はGeoffrey Biggsからの投稿です。

これは、すべての人の意見ではないのですが、ここ日本では長い間OpenRTM-aistとROSをつなげて一緒に使えたらいいのに、という要望がささやかれていました。このパッチのリリースによって、OpenRTM-aistの強力なライフサイクル管理と実行管理を維持しながら、ROSの幅広い機能とチャネル・ベースの永続通信がOpenRTM-aistに加わります。

OpenRTM-aist用のパッチのダウンロードはこちらからできます。

このパッチは、OpenRTM-aistに複数のROSチャネルにまたがって通信を特定して行える新しいトランスポートタイプを加えます。永続性のあるチャネルを使って通信を行える能力がいかに有用であるかを、いずれ誰かが見つけることは疑う余地もありません。もっとも重要なメリットは、OpenRTM-aist用コンポーネントとROS用ノード間の通信がほぼシームレスにできることなのです。ネットワーク上に分散したコンポーネントもノードも、一つのフレームだけに留まらなくてもよくなるのです

ラッパーは全く使われていません。すべての通信は、ROSのネィティブな形式ですので、ROSだけを使うときと同じようにROSライブラリを使えます。変換レイヤーがないということは、接続効率の最大化を意味します。必要なのは、ROSトランスポートのためにポートタイプを作成することだけです。すでにROSをわかっている人には、ポートを使うのは簡単なことだと思います。

一つ注意点があります。私が「ほぼシームレスに」と言った理由でもあるのですが、まだタイプの統合セットが定まっていないのです(OpenRTM-aistのタイプシステムについて解決しなければならない課題がいくつかあり、現在取り組んでいます)。このタイプについての課題は、現在、フレームワーク・デザイナーの間で熱心に議論されているトピックですので、近い将来に解決されることと思います。:)

下にOpenRTM-aist-1.0.0用のパッチと各ポートタイプ(パブリッシャー/サブスクライバー/クライアント/サーバー)のサンプルを下のリンクからダウンロードできるようにしました。これからもっと詳しい使用方法を書いたウェブページをOpenRTM-aistのウェブサイトに作りたいと思っています。それまではROS.orgのexamplesとソースの中にあるdoxygenのコメントが助けになると思います。とてもシンプルにできています。

ぜひ、ご意見やご提案、改良成果などをお寄せください。

  • パッチのダウンロードはこちら
  • 各ポートタイプのサンプルのダウンロードはこちら

原文

ROS関連の論文を共有しよう

米国西海岸時間 May 17, 2010

ROSに関連した論文がある研究者のみなさん、ROS.orgであなたの研究を公開しませんか?このROS論文共有ページの第一の目的は、論文を読んだ人が、中に出てくるROSのコードを簡単に試せるようにすることです。コードにアクセスしやすくなることでそれを読む人が研究成果の再現や検証をしやすくなりますし、より多くの人があなたの研究を実践した上で理解してくれるようになります。このページはすでにいろんな種類のROS関連論文が、論文全文と関連コードやドキュメントへのリンクとともに公開されています。そのうちのいくつかは、論文に関するビデオや研究成果を再現するための説明も含まれています。

ぜひあなたの論文をROS.orgにアップしてください!詳しくはこちら

原文

2010年5月14日金曜日

HARK、テキサイ、オープンソースに関する記事(Singularityhub)

HARKのテキサイロボットへの搭載とオープンソースに関して、Singularityhubに読み応えのある記事が掲載されたので、許可を得て日本語にしました。

HARK! テレプレゼンス・ロボットのための音源分離システム

動物の耳が2つある理由の一つは、音が聞こえてくる場所を特定し、まわりの雑音からその音だけに集中させることにあります。ほとんどのテレプレゼンスロボットはマイクを1つしか持たないので、騒がしい部屋で異なる音を分離する能力が奪われてしまっています。京都大学の奥乃博教授とホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパンのシニア・リサーチャー、中臺一博氏はそこに着眼しました。彼らは複数のマイクを使い、人がたくさんいる部屋で異なる音を分離し、音の位置を特定し、テレプレゼンスロボットのリモートユーザーが聞きたい音のチャンネルだけを選ぶことを可能にする、HARK(Honda…Audition for Robots with Kyoto…)というシステムを創り上げました。先日、ホンダ・京都大学のチームがウィローガレージを訪れ、HARKをウィローガレージのオープンソースソフト(ROS)を使ったテレプレゼンス・ロボットであるテキサイに搭載しました。HARKはROS(ロボット・オペレーシング・システム)に統合され公開されました。研究用途においては無償で使えるようになったのです。クールなHARK-テキサイのデモを下のビデオで見ることができます。

テキサイはオープンソースの手法を用いたロバストなテレプレゼンス・ロボットのプラットフォームとして、すでにかなりの感動を与えてくれています。テキサイのリモートユーザーは、テレカンファレンスができるというだけでなく、もっとすごいこと -- ロボットを使ってその空間を探検し、オフィスにいる人たちと自然な形で話しやミーティングができるのです。そしてHARKが加わったことで、人で混み合った場所でテキサイに誰かと一対一で話しをさせられるようになり、テキサイがどこにでもいける能力がさらに向上しました。これは、テレプレゼンスであれ他のものであれ、人間と一緒の空間でともに何かを行うことができる完全に統合されたロボットへ向けての、新たなステップなのです。


このビデオでは、HARKチームがシステムの重要な特徴について説明しています。0:38に、人々が集まって話しをして(そのうち一人は別のテキサイで参加)いる状況で、各人の声を別々のチャンネルに分離させる方法を紹介しています。1:03近くでは、HARKがテキサイに取り付けられた8つのマイクの音源の位置をいかに特定させるかがわかります。そしてこれらをもとにした、極めつけとも言えるデモが、1:21にあります。複数の人が話し、音楽も流れている場所で、テキサイのユーザーがただ一人の声(1から10まで数えているTakeshi Mizumotoさん)だけに集中して聞けるように、HARKが必要のない他の音を選びだし音を消すのです。

音源分離の技術自体は新しいものではありません。奥乃教授と中臺氏は10年以上前にロボット聴覚の共同開発プロジェクトを始めました。2000年に最初の論文を発表してからいくつかの技術的な進展がありましたが、たぶん、ロボット聴覚システムとHARKの最も大きな違いは、HARKがオープンソースであるということです。(ある意味で、と言った方がいいかもしれませんが。)HARKのコードは公開され、ROSに統合されていてます。研究目的には無償、商用目的の応用はライセンス供与により可能になっています。

オープンソースのテクノロジーに強く賛同し、支持している者として、HARKがこのような完全にではないオープンソースの形を選択したことに興味を覚えます。誰でもが無償でコードを使用、改良、構築できるなら研究は急速に進みます。しかし、HARKを使って商用に耐えうるアプリケーションが生まれれば、ホンダ・京都大学の研究開発費を回収できる可能性があるのです。私が知る限り、これは研究用/商用ライセンスによるオープンソースの初めての例ではありません。もしかしたらこのモデルは、オープンな研究を奨励したいが投資についても満足した結果を得たいという人々、またはその逆の立場の人々に対しての妥協策になりうるかもしれないと思います。

今のところはまだ、テキサイへのHARKの統合は、オープンソースのコードやプラットフォームの共有がロボットの研究をいかに加速させるかという新たな一例、と言えるでしょう。ウィローガレージの新しいプロジェクトを知るたびにそのことについて話すのが私の大きな楽しみになっています。そして毎回、その通りだ、だと思うのです。情報をオープンに交換しあうことは、科学を前進させるエンジンにとってのニトロ(亜酸化窒素)みたいなものです。もし私たちがSingularity(シンギュラリティー)に向けてより早く前進していきたいのであれば、こういうオープンなプログラムを科学コミュニティ全体に広げていくことが本当に必要だと思います。

[ビデオのクレジット: Willow Garage]

Aaron Saenz 原文

TimmyよりSingularityhubへ
日本語訳への快諾、どうもありがとうございました。

2010年5月13日木曜日

物体の三次元モデリング

米国西海岸時間 May 12, 2010

リサーチエンジニアRomain Thibauxは最近PR2に事前知識のない物体の形状を教える研究を行いました。ロボットは、そのステレオカメラを使って物体の三次元画像を取得することができます。しかし、一つの視点からはその物体のほとんどの部分は見ることができません。Romainの研究は異なる角度からの多くの視覚情報を元にして、完全な三次元モデルを生成することです。この研究では、その空間がある物体の部位を実際に含んでいるかいないかを示す証拠がどれだけ存在するかを計算し、その確率を利用します。これらの確率は、熱伝導方程式を使って、見えていない部分にまで広がります。フライパンを通して熱が拡散していくのと同様に、確率が空間を通して拡散していくのです。つまり、熱い部分は確率が高い部位であり、熱い部位と冷たい部位の境界がその物体の表面になるのです。

Romainのアクティブ・パーセプション手法は、ロボットによる未知物体の形状認識を可能にするもので、これは固定カメラではできないことです。このダイナミックなアプローチはPR2の知覚能力を強化し、よりよいマニピュレーションや物体識別、その物体をレンダリングしシミュレーションすることを可能にします。

詳しくは下のビデオやROS.orgにあるmodel assemblerheat equation solverをごらんください。

原文

ICRAのビデオ PR2とたくさんのロボット達







米国西海岸時間 May 12, 2010

ICRA2010ではPR2にたくさんのロボットの友達ができました。上の短いビデオの中に、PR2、KUKAのLWR(Light Weight Robot)、BarrettのWAMアーム、アルデバランのNaoMeka RoboticsCare-O-bot 3、ボン大学のDynamaid、コブレンツ・ランダウ大学のhomerなど、たくさんのロボットが映っています。どうぞお楽しみください。

原文

2010年5月12日水曜日

楽しかったICRA 写真とワークショップの報告

米国西海岸時間 May 11, 2010

先週のICRAでは会場を回っていろいろ見聞きし、また私たちのブースに立ち寄ってくださったみなさんとお会いできて、たいへん楽しい時間が過ごせました。 ROSを使ったロボットがどんどん増え始めていることを知り、またいつもROSユーザーのML ros-usersでメールをやりとりしている何人かの方々の名前と顔が一致したのも嬉しかったです。私たちはPR2ロボットを3台持っていき、ブースでデモを行いました。テキサイも持っていったので、メンロパーク(ウィローガレージがある市の名前)のオフィスから社員が操作して、時々展示会場を動き回っていました。なんとか時間をやりくりしてブースから離れ写真を撮ってきましたので、ぜひギャラリーをごらんください。

ICRAではたくさんのワークショップのオーガナイズをお手伝いしたので、参加者のみなさんと交流することができたのも素晴らしかったです。約60名の方がROSチュートリアルに参加しました。希望者のみなさんはその日はずっと、実際にPR2を使ってテーブル上の物体を自律的に持ってくる、というデモを行うことができました。移動マニピュレーションのワークショップには約100名が参加し、研究の方向性について幅広く活発な意見交換が行われました。また移動マニピュレーションにおける三次元認識とモデリングのための最善の方法には約80名が参加し、三次元認識とモデリングに関する詳細なプレゼンテーションと掘り下げた議論が行われました。

原文

2010年5月11日火曜日

ICRAのご報告 ー たくさんの感謝とともに

PR2 gets some refreshment from Care-O-bot

米国西海岸時間 May 10, 2010

ICRAでは、いろいろ方にお会いし、どのようにROSを使っているかお話を聞くことができて、たいへん有意義な時間を過ごせました。このブログの"ROSを使ったロボット"シリーズ(日本語 英語)でご紹介している例については知っていたものの、ボートやクアッド(4つの)ローターをもつヘリコプターにもすでに使われているというのは嬉しい驚きでした。また他にも様々な異なるロボットがROSのnavigationスタックを使っているそうです。お忙しい中時間をとって私たちにお話ししてくださったり、チュートリアルに参加してくださったり、ROSの新しい利用法について教えてくださったりしたみなさん、どうもありがとうございました。

商用ロボットでもオープンソースの利用に弾みがついてきているのがわかり、嬉しかったです。Gostai新たにオープンソースになったURBI、SRIはオープンソースのマッピングライブラリKarto、そしてRobosoftKompai robot用の新しいオープンソースソフトの紹介を行っていました。これからさらにたくさんオープンソースに関するニュースをこのブログでお届けできると思いますので、ぜひ楽しみにしていてください。

たくさんの方からROS.orgのインデックスに自分のオープンソースのリポジトリを作る方法について質問がありましたが、これはとても簡単なんです。ただEメールをROSユーザーのMLros-usersに送っていただくだけです。

みなさん、ROSを使ってどんなことをしているのかをぜひ教えてください。"ROSを使ったロボット"でこれからもっと多くの事例をご紹介できるのを楽しみにしています。

原文

2010年5月5日水曜日

結果発表: PR2ベータ無償貸与 東大含む11研究機関を選出


米国西海岸時間 May 4, 2010

たくさんの素晴らしいプロジェクト案の応募をいただいたので、当初予定の10研究機関に絞ることが難しく、最終的に11か所になりました。

PR2ベータの無償提供先の募集にご応募いただいた78のプロジェクト案の審査を終え、PR2ベータロボットを無償貸与されることになった11研究機関を発表できることを嬉しく思います。私たちは、応募者数の多さだけでなく、プロジェクト案の質の高さに圧倒されました。アメリカ以外からいただいた応募の存在感も高く、ヨーロッパから3つ、アジアから1つの研究機関が選出されました。提案された研究内容と応用領域の幅広さに、私たちは興奮をおさえられませんでした。と同時に、たった10か所に絞らなくてはならないため、非常に厳しい選択を迫られました。最終的に11か所になったものの、それでも困難を極めました。プロジェクト案を提出するため多くの時間と労力を費やしてくださった皆様に心から感謝いたします。

PR2ベータプログラムは2年間のプロジェクトであり、選出された研究機関は今後それぞれの研究目標の達成に取り組み、協力しあって新しいアプリケーションを開発していくために定期的に会合を持つことになります。
PR2ベータは移動可能なベースをもった堅牢で高性能なロボットのプラットフォームです。マニピュレーションのための双椀、性能豊かなセンサー群、演算処理のために16のCPUコアをもつコンピュータを搭載しています。PR2ベータプログラムロボットには総額440万ドル以上が費やされています。

PR2ベータロボットには、PR2をフルに制御できる、フリー(無償)かつオープンソースであるソフトウェアROSがインストールされています。ROSには、自律によるナビゲーション、マニピュレーション、認識のライブラリなどが含まれています。PR2を受け取った研究機関は、ROSでコードの開発を行い、お互いの研究成果をとても簡単に共有することができます。これはROSコミュニティへの貢献となり、多くのROSコミュニティの研究者がそれぞれのロボットプラットフォームでこれらの成果を活用することが可能になります。

選出された11の研究機関からいただいたプロジェクト案は要約するのが非常に難しいので、その要点の一部を下にご紹介します。これらの研究機関は、今後、その研究結果とともに開発コードをオープンソースのライブラリーとして公開していきます。PR2という共通のハードウェアを提供することにより、研究成果を交換しあったり、これまでとは違った形での共同研究が可能になります。今年のICRAカンファレンスでは、PR2を使った研究に関する論文として自律的な開扉電源プラグ差し込みタオルたたみなどが発表されます。これからどんな成果が現れてくるのか、非常に楽しみにしています。


フライブルク大学(独)  (プロジェクト: TidyUpRobot 片付けロボット)

フライブルク大学のマッピングに関する強みは、複数のオープンソースライブラリ(TOROGMapping)がすでに広く使われているという成果として現れています。彼らはPR2を使ってテーブルの上を整頓することに取り組みます。一方で、基本的だけれどもロボットにとっては難しい能力、例えばいかにしてひきだしや冷蔵庫を開けるか、いかにして異なる物体を認識するか、またこうした情報をロボットのマップにいかにして統合するか、といったことに取り組むことになります。彼らの目標は、高い信頼性をともなう検出、把持、そして物体の移動の達成と、その結果が他のPR2ベータを使う研究機関で再現されることです。

ボッシュ研究所(米国にある独ボッシュ社の研究所) (プロジェクト: パーソナルロボット市場の開発: 新しいセンサーと自律性の共有による新しいアプリケーションの実現)

ボッシュは彼らのマニファクチャリング、センサー技術、消費者向け製品における専門性を生かします。ロボット用センサーをPR2ベータプログラムのメンバー用に作ります。数は限定されますがPR2が環境を感知することのできる"skins"も含まれます。また彼らのPR2を遠隔地からアクセスできるようにして、彼らがROSのためにリリースしてきたライブラリを広く展開していきます。

ジョージア工科大学 (プロジェクト: 家の中で高齢者をアシストするための移動マニピュレーション)

ジョージア工科大学のヘルスケア・ロボット研究室は PR2を"Aware Home"(大学内に設置された実験住宅)に置き、ロボットが家を手入れし、工夫にあふれたアシスト能力で高齢者を助けるにはどうすればよいかについて研究を行います。また、高齢者がロボットとやりとりするためのより簡単な方法を作りだすことや、ロボットがひきだし照明器具を扱う、電気のスイッチをつけるなど、日常生活で物をどう扱うかについての研究も含まれています。彼らの、人間とロボットのインタラクション研究は、ソフトウェア開発が実際の生活で必要とされることと密接につながっていくことにフォーカスしています。

ルーヴァン・カトリック大学(ベルギー) (プロジェクト: 移動マニピュレーションにおけるタスク特定、制御、コーディネーションのためのフレームワークの統合)

ルーヴァン・カトリック大学はロボットのオープンソースコミュニティにおいて中心的役割を果たしています。Orocosプロジェクトを創立した研究所の一つとして、ROSとBlenderの統合など、ROSでロボットの研究開発を行うためのツールやライブラリを向上させていきます。また、例えば混雑した環境で物を運ぶなどPR2と人間が何かを一緒に行うことにも取り組みます。

マサチューセッツ工科大学コンピュータ科学・人工知能研究所(MIT CSAIL) (プロジェクト: 人間中心の環境における移動マニピュレーション)

MIT CSAILによる混成グループはPR2を使って、人間中心の環境でロボットを動かす場合に重要な能力である、安全なナビゲーション、自然言語を使った人間とのやりとりや物体認識、複雑な目標のためのプランニングなどの研究を行います。彼らの研究によって、ロボットがMITの大きな11階建てのStata Centerビルの中を動き回れるだけのマップを作成できるようになります。さらにPR2が食べ物などを片付け、簡単な掃除を行うことにも取り組みます。

スタンフォード大学 (プロジェクト: PR2におけるSTAIR)

PR1はスタンフォード大学のKenneth Salisbury研究室で開発されました。そしてROSSTAIR (スタンフォード人工知能ロボット)プロジェクトから誕生しました。私たちはPR2がSTAIRプロジェクトの新しいプラットフォームとなり革新的研究が行われることを期待しています。彼らは、在庫を管理する、散らかったものを回収する、食事の後でテーブルを片付けるなどのアプリケーションに取り組みます。

ミュンヘン工科大学(独) (プロジェクト: CRAM - 認識データを抽象化するマシンとしてのロボット)

ミュンヘン工科大学(TUM)はPR2に人工知能のスキル三次元認識の能力を与え、キッチンでの色々な仕事を行う際に何を行っているのか意味づけさせるようにします。これらの向上が組み合わさせっていけばPR2がテーブルをセッティングしたり、食器洗い機の中のものを元に戻したり、食事を用意したりといった食事に関わるより複雑なことが可能になることにつながっていきます。

カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー) (プロジェクト: PR2ベータプログラム - パーソナルロボットのためのプラットフォーム)

PR2は今や"タオルたたみロボット"として知られるようになりました。Pieter Abbeel研究室の多大なる努力に感謝します。2ヶ月という短期間で、彼らはPR2に50枚のタオルをきれいにたたませることに成功しました。バークレーは、今後、汚れた服を洗濯してきれいにたたむまでというさらに困難な作業に挑戦します。さらに彼らは階層的プランニング、物体認識の他、デモ学習を応用した実際の組み立てや製造(例:IKEAの製品)にも興味をもっています。

ペンシルベニア大学 (プロジェクト: PR2GRASP - 知覚と意味づけから把持まで)

GRASP研究室のプロジェクトは家庭用のロボットが直面する課題に取り組むものです。これには活発な動きのある環境における人物追跡とナビゲーションのためのプランニング、ロボットの手と人間の手で物を渡しあうことが含まれています。PR2にツールベルトを与えたのも彼らによる貢献の一つです。 これはグリッパの種類を変えさせ、人々の中での追跡とナビゲーションを助け、バネで止められたドアを開けるなど、双椀での難しい動作を行うものです。

南カリフォルニア大学(USC) プロジェクト: 誘引による永続的動作を行うパーソナルロボット(P^3R) - ネットワーク化され、移動でき、人を助けるロボットの実現に向けて)

USCは、カップに液体を注ぐというような未知の状況や作業に適応できる基本的なモータースキルをPR2に教えるというデモをすでに成功させています。彼らは模倣によってスキルを学び、ライブラリを構築し、改良していくという研究を発展させていきます。一方で人間とロボットのインタラクションセンサー向け自己キャリブレーションの研究にも取り組みます。

東京大学情報システム工学(JSK)研究室 プロジェクト: 複数のロボットの協働による人間環境における日常作業のための自律的運動計画)

東京大学JSKは世界最高峰のヒューマノイドロボット研究を行っている研究室の一つです。彼らの目標は、物を片付けたり、身の回りを整頓したりというような日常生活で人間が行うような作業を安全かつ自律的に行えるロボットを作ることです。彼らはさらに、PR2と他のロボットとの協働や、ROS、EusLisp、OpenRAVEの統合にも取り組みます。

(下のビデオの日本語訳はこちら。)



(訳者註) 選出された11研究機関の内訳
米国(7)
 ボッシュ研究所(独ボッシュ社の子会社)
 ジョージア工科大学
 マサチューセッツ工科大学
 スタンフォード大学
 カリフォルニア大学バークレー校
 ペンシルベニア大学
 南カリフォルニア大学
欧州(3)
 フライブルグ大学(独)
 ミュンヘン工科大学(独)
 ルーヴァン・カトリック大学(ベルギー)
アジア(1)
 東京大学情報システム工学研究室

民間企業はボッシュ研究所のみ。

原文

2010年5月3日月曜日

ROS@ICRA

米国西海岸時間 May 2, 2010

ICRA2010でROSをいろいろな形でご紹介します。
  • ウィローガレージのブースにてROSのライブラリやツールのデモを行います。
  • SRIのKarto RoboticsがウィローガレージのブースとGostaiのブースでデモを行います。
ROS関連のイベント

(先日の記事ICRA2010でお会いしましょうで紹介されていないもののみ。)

Care-O-bot3とPR2が移動マニピュレーションチャレンジに参加します。
会場: Idlughet3
日時: 5月4日(水)14:15〜15:00(PR2)、5月5日(火)15:00〜15:45(Care-O-bot3)

ROS関連の論文

Jürgen Sturm (フライブルク大学) による"Vision-Based Detection for Learning Articulation Models of Cabinet Doors and Drawers in Household Environments"
ROS articulation_modelsパッケージを使用。
日時: 5月4日(火) 8:30−08:45 会場: Egan Center Lower Level Room 9/10

Eitan Marder-Eppstein (ウィローガレージ) による"The Office Marathon: Robust Navigation in an Indoor Office Environment"
ROS navigation スタックを使用。コードはここに公開されています。
日時: 5月4日(火) 9:15−9:30 am 会場 : Egan Center Street Level, Room Cook Hall

Wim Meeussen (ウィローガレージ) "Autonomous Door Opening and Plugging in with a Personal Robot"
ROS pr2_doors スタックに実装。コードはここに公開されています。
日時: 5月4日(火) 14:50−15:05 会場: Egan Center Lower Level Room 1

Ellen Klingbeil (スタンフォード大学)による"Autonomous Operation of Novel Elevators for Robot Navigation"
ROS sail-ros-pkgelevator packagesに実装。
日時: 5月4日(火) 15:35−15:50 会場: Egan Center Lower Level Room 1

Jeremy Maitin-Shephard (UCバークレー) による"Cloth Grasp Point Detection Based on Multiple-View Geometric Cues with Application to Robotic Towel Folding"
非常に人気のあるPR2のタオルたたみデモに関して。
日時: 5月5日(水)9:15−09:30 会場: Egan Center Lower Level Room 13/14

Ioan Şucan (ライス大学)による"Combining Planning Techniques for Manipulation Using Realtime Perception"
ROS arm_navigationmotion_plannersスタックの開発につながった、運動計画用フレームワークの組み合わせ(OMPL, CHOMP, SBPL)について。詳細
日時: 5月5日(水)15:20−15:35 会場: Egan Center Lower Level Room 3/14

Ben Cohen (ペンシルベニア大学)による"Search-Based Planning for Manipulation with Motion Primitives"
ROS sbplパッケージに使われている手法について。詳細
日時: 5月5日(水) 15:35−15:50 会場: Egan Center Lower Level Room 13/14

Benjamin Pitzer (Bosch RTC)による"Automatic Reconstruction of Textured 3D Models"
デモビデオ。ROS bosch-ros-pkgに構築。
日時: 5月6日(木)9:45−10:00  会場: Egan Center Lower Level Room 3

Anthony Mallet (LAAS/CNRS)による"GenoM3: Building Middleware-Independent Robotic Components"
ロボットプラットフォーム間のよりよい相互運用に関して。
日時: 5月6日(木) 15:20−15:35 会場: Egan Center Lower Level Room 6